グラッパというお酒をご存知でしょうか?グラッパはイタリアで造られる蒸留酒の一種で、よく食後酒として親しまれています。日本ではなかなか馴染みのない名称かもしれませんが、イタリアでの人気は高く、お酒ファンの中では大きな注目を集めています。
今回はそんな「グラッパ」について、ブランデーとの違いや味わいの特徴をまとめました。おすすめの銘柄やカクテルレシピも紹介しているので、ぜひ参考にご覧ください。
目次
グラッパはお酒の種類の一つです。ワインやブランデーのように、ぶどうを原料としたお酒となります。醸造したお酒に蒸留の工程を加えた「蒸留酒」であり、ブランデーに近いような存在です。
ただしブランデーと大きく違うのは、ぶどうの果実や果汁ではなく「ぶどうの搾りかす」を原料としている点です。またブランデーは主に白ぶどうの果汁のみが原料となりますが、グラッパでは白ぶどうだけでなく黒ぶどうも原料となります。
ちなみにブランデーは、蒸留方法や造り方がしっかりと定められています。例えばコニャックなら単式蒸留器を使った2段階の蒸留、アルマニャックなら連続式蒸留器でじっくりと時間をかけた蒸留が行われるのが特徴です。それに対しグラッパは、造り手によって蒸留方法が異なり、味わいやアルコール度数も非常に幅広いのが特徴です。グラッパの中にはアルコール度数30度前後の飲みやすいものから、60度に近いインパクトの強いものまであります。
このように、銘柄やシリーズによって大きく個性が異なるのがグラッパのポイントと言えるでしょう。非常に幅広い味わいを楽しめるため、飲み比べが楽しいお酒でもあります。
グラッパがいつ造られたかについては、明確なことはわかっていません。しかし10世紀ごろには、すでにヨーロッパ内でグラッパが流行していたと言われており、非常に歴史の長いお酒であることがわかります。
グラッパが誕生した理由には諸説ありますが、「ワインの代わりに造られた」という説が濃厚です。当時のヨーロッパではぶどうを原料としたワインが生産されていたものの、あくまでも上流階級が楽しむ贅沢品であり一般階級の人々はなかなか飲めませんでした。そこでワインを飲めない庶民たちが、ワインの搾りかすに水を加えた“ヴィネッロ”を蒸留し、造り出したお酒がグラッパの元になったと言われています。
そしてもともとワインの代用品であったグラッパが、歴史を経て生産技術が向上したことにより、一つのお酒としての地位を築いていきました。現在、日本ではまだまだ流通量が多くないものの、ヨーロッパを中心に食後酒として大きく愛されるようになっています。
グラッパの本場はイタリアです。本場イタリアでは、グラッパと名乗れるのはあくまでも「搾りかすを蒸留して造ったお酒」のみだと定められています。加水したもの、加糖して味を調整したものに関しては、グラッパを名乗ることができません。
後から加工をしたものに関しては、以下のような別の名称で呼ばれています。違いを区別するためには、まずは名称を確認してみると良いでしょう。
ちなみに搾りかすを使ったお酒の中でも、グラッパを名乗れるのはイタリア産のもののみです。EUのルールでは、イタリア産以外のものには以下の名称が付けられています。
産地が異なると、畑や作り手の違いから味わいも大きく異なります。どれが優れているかは個人の好みでも変わってくるので、飲み比べてみるのも楽しいかもしれません。
通常のブランデーは、蒸留後に長期熟成されるのが一般的です。オーク樽などを使って寝かせることにより、見た目が綺麗な琥珀色になり、味わいもまろやかでとろみのあるものに変わっていきます。
一方でグラッパは、必ずしも熟成されるわけではありません。樽熟成するものもあれば、熟成せずにそのまま瓶詰めされるものもあります。熟成されないグラッパはブランデーに比べるとまろやかさは減りますが、一方ですっきりとしたフレッシュ感を楽しめるのが特徴です。
このようにグラッパは熟成させたもの・されていないものがあり、それぞれに特徴や名称が異なります。
グラッパにはさまざまな種類があることをお伝えしました。それではお気に入りのグラッパを探すためには、どのような点に注目すれば良いのでしょうか?
ここからはグラッパの選び方について、いくつかポイントを解説していきます。
グラッパはアルコール度数が非常に幅広いです。自分の好みや飲み方に合わせた度数をチョイスしましょう。
例えば初めてグラッパを飲む方や強いアルコールに抵抗のある方には、低めの度数のグラッパがおすすめです。さほど高くない度数のものだと、30度前後のグラッパがあります。
強いアルコール感が好きな方や、ストレートではなくカクテルなどのアレンジに使いたいという方には高めの度数のグラッパがおすすめです。何かで割る場合は、少しずつグラッパの量を調節しながら好みのバランスを探してみましょう。
先ほども述べたとおり、グラッパにはさまざまな熟成年数のものがあります。熟成で味わいや香りが変化するので、ぜひ年数にも注目してみましょう。
例えばストレートのまま飲む場合には、香り高くまろやかになる熟成年数の長いグラッパがおすすめです。同じアルコール度数でも、熟成年数が長くなるほどまろやかになり飲みやすさが増します。
グラッパは原料となるぶどうの品種や香り付けの方法で、細かく特徴が分かれています。お気に入りの銘柄を見つけた場合は、ぜひ覚えておくと良いでしょう。基本的に若いグラッパの場合はフレッシュさが増し、熟成グラッパの場合は深みが増します。
またグラッパの中には、フルーツ・ハーブを加えて風味を足したものもあります。強すぎるグラッパを和らげてくれるため、カクテルのような感覚で飲めると人気があります。
グラッパは人気の高いお酒です。そのためギフトにしても喜ばれるでしょう。ギフト需要でグラッパを選ぶ際には、ボトルデザインにも注目してみましょう。
例えばホームパーティーなどのちょっとした手土産なら、扱いやすくおしゃれなスレンダーボトルが人気です。コレクションでお酒を集めている方には、デザイン性のあるボトルが好まれます。ものによってはクリスマスツリーをモチーフにしたボトルもあるので、季節や用途に合わせて選んでみましょう。
今夜の〆はこれも頂き物の
イタリアのベルタ ロッカニーヴォ 2011のグラッパ♪
ストレートで楽しむと香りも味わいも素晴らしい…
もう半分近くまで減ってしまったな#ブランデー#グラッパ pic.twitter.com/x9cp9S91F7— 智ちん? (@mikomiko0038) April 11, 2021
グラッパは主に食後酒として楽しめるお酒です。強めのアルコールなので、ビールなどのようにぐいぐい飲むのではなく、食事の後に少量のグラッパをゆっくり時間をかけて飲むと良いでしょう。食後のグラッパには、胃をスッキリさせてくれる効果も期待できます。
ストレートで飲む場合、熟成年数やアルコール度数による違いを一番感じやすいです。お気に入りのバランスのものを探してみましょう。
大人の猫まんまhttps://t.co/LZPxz0IWFy
— 麻布警察署 (@63cities) November 1, 2021
グラッパの変わった飲み方として人気なのが、エスプレッソに組み合わせるレゼンディンという方法です。これは砂糖をたくさん入れたエスプレッソを最初に飲み、砂糖の残ったカップの上からグラッパを注ぎ、混ぜて飲むという方法です。エスプレッソの香りがつくことで、グラッパの味に奥行きが生まれます。砂糖による甘さもプラスされるので、甘いお酒が好きな方にもおすすめです。
グラッパコンモスカ pic.twitter.com/5DzBWdntkK
— はっとり (@munousou) July 25, 2017
グラッパ・コン・モスカも人気の飲み方です。こちらもコーヒーを合わせる飲み方で、ショットグラスにグラッパを注ぎ、コーヒー豆を3粒ほど浮かべた後、コーヒー豆に火をつけて飲むという方法です。
見た目にも楽しく、遊び心があります。
グラッパが届いたのでカフェコレットやってる(*´Д`*)うんめぇー pic.twitter.com/QlEL2SIvls
— TAKKUN-J (@j_takkun) February 22, 2021
淹れたてのエスプレッソにグラッパと砂糖を注ぎ、軽く混ぜて完成です。コーヒーの苦味とグラッパの風味が調和したカクテルで、コーヒー好きの方にもおすすめです。
夫のお酒拝借して、グラッパティーカクテル? pic.twitter.com/SJDw9FExCN
— ゆうり い (@yucci0222) June 3, 2020
ミントと炭酸を使った、モヒートのようなカクテルです。まずはグラスにミントとグラッパを入れ、程よく潰した後に氷・アイスティー・炭酸水を注げば完成です。
只今帰りました。
昨日給料日だったのでたまにはいつもと違うお酒を飲みたいと思い、イタリアンスティンガー(グラッパとアマレットのカクテル)を作ってみました。 pic.twitter.com/7kGiO1nlfc— 愛作 (@Aisaku0910) May 2, 2020
グラッパにミントリキュールを注いでステアすれば完成です。スティンガーのベースに使われるブランデーをグラッパに変えたもので、イタリアンなスタイルを楽しめます。甘めで飲みやすく、人気があります。
イタリアを本場とするグラッパは、ぶどうの絞りカスから造られるちょっと変わった蒸留酒です。製法や飲み方が自由で、フランスワインやブランデーよりもカジュアルに楽しみやすいのが魅力です。
近年ではバーやレストランで提供されることも増えてきており、今まさに人気の高まっているお酒だと言えます。ぜひ気になった方は、グラッパをチェックしてみてください。
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