洋酒の中でも特に人気の高いブランデー。高級なイメージを抱いている方が多いと思いますが、「実はどんなお酒なのかよく知らない」、「どのような銘柄があるのかはっきりわからない」という方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
実はブランデーにはさまざまな種類があり、種類によって味わいも変わります。どのようなブランデーがあるのかを知っておけば、自分好みの味わいの銘柄を探すのに役立つでしょう。
そこで今回はブランデーについて、種類や特徴をまとめてみました。おすすめ銘柄もいくつか紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
ブランデーは、醸造酒であるワインを蒸留して作る「蒸留酒」となります。果物を原料としており、基本的にはブドウから作られることが多いです。なおブドウだけでなくリンゴや洋梨などそのほかの果実を原料とすることもあり、非常にバリエーションが広いことで知られています。
ブランデーは蒸留によりアルコールが凝縮されているため、アルコール度数はおよそ40度程度と高めの刺激が強いお酒です。ただし樽熟成という工程を経ているため、濃いアルコールながらもまろやかで飲みやすいのが特徴です。また原料に果実が使われていることから、非常に香り高く上品な風合いを感じることができます。リッチな味わいのものが多く、特に品質の高いものに関しては、高級酒として幅広い世代・国籍の方に愛されています。
ブランデーとウイスキーはどちらも蒸留して作られるお酒です。さらにどちらも樽にて長期熟成されるため、見た目は似ていて初心者には区別しにくいかもしれません。ただし両者は原料や製法が異なるため、同じ蒸留酒であっても味わいは大きく異なります。
簡単に説明すると、ブランデーが果実を原料とするのに対し、ウイスキーは麦やとうもろこしなどの穀物を原料としています。そして穀物由来のウイスキーは糖化という工程が加えられていますが、ブランデーはそもそも原料に糖分が豊富に含まれているため糖化をしなくても造れるのがポイントです。
ウイスキーが味そのものを重視しているのに対し、ブランデーは味だけでなく“香りを楽しむお酒”としての側面が強いです。ウイスキーがモルトの旨味やスモーキーなピート香を楽しむものである一方で、ブランデーは「芳醇さ」や「フルーティーさ」を堪能できるという特徴があります。
ブランデーの歴史は非常に古く、正確な起源はわかっていません。しかし、一説によると「偶然生まれたお酒」だと言われています。
今からおよそ500年ほど前、フランスコニャック地方では盛んにワイン造りがおこなわれており、オランダなどの諸外国に向けて多数輸出をしていました。その中で輸送中のワインがダメージを受けてしまい、酸味の強いお酒になってしまったそうです。そこで酸味の強くなってしまったワインをなんとか飲めるようにするために蒸留してみたところ、見事に芳醇な香りのする蒸留酒が生まれました。このような偶然の積み重なりがブランデーの始まりだと言われています。そしてブランデーの美味しさは、一気に広まっていきました。
なお本格的にブランデーが産業として発展したのは、17世紀ごろのことです。この頃になると、多くの貴族たちにブランデーが愛されるようになりました。ただしその分ブランデーを名乗る質の悪いお酒も増えてきたため、ルイ14世はブランデーを保護する法律を設置し明確なルール付けを行いました。
特にフランスのブランデーは有名で、「コニャック」「アルマニャック」は原産地呼称の認定まで受けています。正しいルールで造られたものしかこの名を名乗ることができないようになっており、ブランデーの品質が保たれています。今では貴族だけでなく一般階級の方にも親しみやすいお酒にはなりましたが、やはり“高級酒”として扱われることも多く、日本ではパーティーやお祝いなど特別なシーンで飲まれることが多いです。
ブランデーの中でも特に有名なのがフランスで造られる「コニャック」「アルマニャック」、そして「カルヴァドス(カルバドス)」と呼ばれるものたちです。これらは全てブランデーの一種になりますが、生産地域や原料の品種、そして蒸留法などに関する明確な定義付けがなされており、ルールを守ったものしか名乗ることのできないブランドです。
コニャック・アルマニャック・カルヴァドスはどの銘柄も品質が総じて高く、他のブランデーを圧倒しており高級品として愛されています。
それぞれどのような特徴があるのか、一つずつ見ていきましょう。
フランスの南西部ボルドーから北へ100kmほど広がる、コニャック町を中心としたエリアで造られるブランデーです。ユニ・ブランという白ブドウを主な原料としており、単式蒸留器で丁寧に2回蒸留、そのあとフランス産のオーク樽にて熟成を行っています。
繰り返される丁寧な蒸留のおかげで長期熟成が可能となっており、なんと100年以上の熟成ができる唯一無二の蒸留酒だと言われています。
長期熟成できるコニャックは非常にまろやかなのが特徴であり、高貴な印象を受けます。芳醇で奥行きのある香りがあります。
アルマニャックはボルドーから南東へ100kmほどの、ガスコーニュの中心部で作られています。コニャックがユニ・ブランという白ブドウを9割以上使っているのに対し、アルマニャックではユニ・ブランのほかバコ、フォル・ブランジュといった別の白ブドウも使われています。
コニャックとの大きな違いは蒸留方法です。コニャックが単式蒸留器で複数回の蒸留を繰り返すのに対し、アルマニャックは伝統的な半連続式蒸留器を使い、ゆっくりと時間をかけて1回蒸留が行われます。
1回だけの蒸留であるアルマニャックは、コニャックに比べ野生的で力強く、パンチのある味わいになります。
カルヴァドスはフランス北西部のノルマンディー地方にて造られる蒸留酒です。コニャック・アルマニャックが白ブドウを原料としているのに対し、カルヴァドスは主にリンゴを原料にしています。またリンゴのほか、一定量の洋ナシが使われることもあります。
リンゴ由来のフルーティーな香りが特徴で、飲み物としてはもちろん製菓用に使われることも多いです。またカクテルベースに使用されることも多く、実はファンの多いお酒となります。
ブランデーといえばフランスのイメージが強く、先ほど紹介したコニャック・アルマニャック・カルヴァドスは全てフランスのものになります。しかし実はフランス以外の国でもブランデーが造られています。
それぞれに名称が異なり、原料や製法が変わります。代表的なブランデーには以下のようなものがあります。
このように、世界各国でさまざまなブランデーが造られており、ブランデーごとに製法や原料まで異なります。それぞれ味わいや個性が変わってくるので、飲み比べてみるのも面白いでしょう。
高級ブランデーの中には、ボトルデザインにまでこだわって造られたものがあります。コニャックに多く、たとえば「レミーマルタン ルイ13世」のようなバカラ社製のクリスタルボトルや、「カミュ ブックシリーズ」のようなオリジナルデザインの陶器ボトルが代表的な例です。
ここまで解説したとおり、ブランデーにはさまざまな種類があります。自分好みのブランデーを選ぶためには、どのような点に注目すると良いのでしょうか?
ここからは、ブランデー選びの際に気にすべきポイントについて紹介します。
ブランデー選びの際は、ブランデーの種類に注目してみましょう。有名なものだとコニャック・アルマニャック・カルヴァドスがありますが、そのほかにも多数の国々がブランデーをつくっています。
たとえば高級感のある特別なブランデーを探す場合、コニャックがおすすめです。反対に親しみやすいブランデーを探している場合、イタリアのグラッパなどは価格帯的にもちょうど良いかもしれません。そのほか香りを堪能したいならフルーツブランデーを選んでみるなど、味わいたいブランデーに合わせて種類を選んでみましょう。
ブランデーは熟成を経て造られるものが多く、熟成期間によって味わいが変わります。基本的には熟成の少ない若いブランデーの場合にはアルコール感が強く、熟成が進んだものほどランクが高まり、味わいもまろやかで深いものなります。同じ銘柄でも熟成期間によって味わいが変わるので、ブランデー選びの際はランクにも注目してみましょう。ちなみにブランデーの熟成期間は「コント」という言葉で表されることが多く、コントの後に続く数字が大きければ大きいほど熟成年数も長いものとなります。
なお有名ブランデーであるコニャック・アルマニャックは、熟成年数によってランクが以下のように定められています。
ブランデーは蒸留酒であるため、ワインや日本酒に比べてアルコール度数が高いです。飲みやすいブランデーを探す場合は、アルコールの強さにも注目してみると良いでしょう。
基本的には40度前後のアルコールであるブランデーが多いですが、中にはアルコール度数が50度近くまであるものもあります。ラベル内容を確認すると、アルコール度数がわかります。
ブランデーは種類や熟成年数によって値段が非常に幅広いです。希少価値の高いボトルや超高級品になると、1本で数十万円を超えるようなものもあります。
ただし高級なイメージの強いブランデーですが、実は1本数千円ほどで購入できる銘柄もあります。ブランデーを選ぶ場合、予算に合わせてちょうど良い銘柄やシリーズ・ランクを探して見ると良いでしょう。
香り高くアルコール度数の強いブランデーは、どちらかというと“食後酒”として好まれる傾向にあります。美味しい食事を食べた後のゆっくりとしたい時間帯に、ぜひブランデーを味わってみましょう。ブランデーは以下のような飲み方で楽しむことができます。
ブランデーは基本的にストレートで楽しむのがおすすめです。なぜならそのままの状態の方が、本来の豊かな香りを満喫できるためです。
温度は18度〜20度がおすすめで、適温になったブランデーをゆっくりと口に運び味わうようにしましょう。
なおブランデーはアルコール度数が高いので、酔いが回りすぎないようにチェイサーを用意しておきましょう。
ブランデーをオンザロックしたらめっちゃオシャレ pic.twitter.com/NMZFiIX05f
— 黒沢翔一?奥行きお化けVtuber (@masayosi_knight) April 30, 2021
強いアルコールが苦手な方は、ブランデーグラスに氷を注ぎ、その中にブランデーを注ぐオンザロックで飲んでも良いです。氷が溶けるにつれ、味わいの変化を堪能できます。
最近ホットブランデーにハマってます?
お湯で割って砂糖少し入れるだけ。お手軽だけど美味しくて身体も温まる? pic.twitter.com/ZaIBzcCSdy— fullfull@主に平日撮影?️ (@fullfull_photo) February 2, 2020
ホットブランデーは、ブランデーのお湯割りのことです。温めることで芳醇な香り・味わいが増します。癒されたい気分の時には、蜂蜜や生姜を加えてみるのもありです。
ブランデーはカクテルベースとしても使えます。ブランデーカクテルは女性人気も高く、ストレートのままのブランデーに抵抗がある方にも適しています。以下のようなレシピのカクテルがあります。
今回は
『サイドカー』
・ブランデー
・ホワイトキュラソー
・レモン【カクテル言葉】
・いつも2人で【カクテル紹介】
「サイドカー」が誕生したのは第一次世界大戦中、バイクのサイドカーにちなんで名付けられました。大切な人と飲むのはいかがでしょうか? pic.twitter.com/vdvGHpFy0S
— barmoonwalkお初天神〝公式〟 (@mw_ohatsutenjin) September 8, 2023
ブランデーにホワイトキュラソー、レモンジュース加えて作ったカクテルです。
嫉妬ファイヤ~~~~~??
な気分の方には珈琲とブランデーを使ったカクテル
「カフェロワイヤル」もおすすめデース٩( ᐛ )و pic.twitter.com/FIo4hApETt— ぴょこた@??すたっふ (@help_zunuma) June 13, 2019
カップに注いだコーヒーの上にスプーンを乗せ、角砂糖とブランデーを乗せて火をつけるという変わったカクテルです。ナポレオンが好んでいた飲み方として有名です。
ブランデーの種類や味わいについて紹介しましたが、いかがでしたか?
ブランデーには豊富なシリーズがあり、それぞれに味わいが異なります。飲み比べも楽しめるお酒なので、ぜひ気になる銘柄があればチェックしてみてください。
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